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本年度審査委員

コンペティション部門国際審査委員

審査委員長

ジャン=ジャック・ベネックス

ジャン=ジャック・ベネックス

Jean-Jacques Beineix

映画監督/脚本家/プロデューサー

1946年パリ生まれ。医学を勉強するが、やがて映画業界の道に入る。12年間助監督を務め、『ディーバ』で監督デビューを果たす。同作は世界的大ヒット作となった。以後、数多くの国際的ヒット映画を監督した。主な監督作は『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』(86)『ロザリンとライオン』(89)イヴ・モンタン主演『IP5/愛を探す旅人たち』(92)などがある。近年は社会問題に切り込んだドキュメンタリーも数多く手掛けている。2013年、フランス・ブローニュで大規模な作品展“Studio Beineix”が開催された。映画監督、プロデューサー、脚本家、写真家、画家、ミュージシャンなど多彩な才能をもつアーティストであり、監督作『ロザリンとライオン』で野獣のいる檻に入ったように、リスクを恐れない。イマジネーション溢れる作風が特徴であり、現実世界の要素と夢の記憶を交錯させながら、音楽が色彩や他の知覚に作用する共感覚を刺激する作品を創りつづけている。

あいさつ
私にとって日本は常にインスピレーションと夢の源です。世界中の映画にとってそうであるように、日本は第二の故郷なのです。2016年の東京国際映画祭の審査委員長を務めることは光栄であり、大変な喜びです。他の素晴らしい審査委員の皆さんと共に、真摯で寛大な眼差し、新しい取り組みに対する繊細さ、恐れない心、芸術性を携えたすべての作品を心から歓迎します。参加監督の皆さんに激励を送りつつ、彼らの作品を発見することを心待ちにしています。きっと素晴らしい経験になることは間違いなく、さらなる発見も得られるかもしれません。日本の映画ファンの皆さんにお会いして、映画を発見するユニークな喜びを分かち合うのも楽しみです。私はフランス映画界からのメッセージを伝えます。映画とは唯一無二のギフトであり、偉大な芸術であり、人類の共通財産です。今回の映画祭が大成功をおさめられることを心より祈念し、スタッフの皆さんの信頼に感謝いたします。素晴らしい映画祭になりますように。

審査委員

メイベル・チャン(張婉婷)

メイベル・チャン(張婉婷)

Mabel Cheung

映画監督

香港大学で英文学と心理学を専攻、イギリスのブリストル大学で演劇と視覚芸術の卒業学位を取得、ニューヨーク大学大学院フィルムスクールで映画製作の修士号を取得した。初監督作『非法移民』(85)は香港電影金像奨最優秀監督賞および第30回アジア太平洋映画祭審査員特別賞を受賞。以来、数々の映画賞を受賞している。『誰かがあなたを愛してる』(87)は作品賞、脚本賞を含む4つの香港電影金像奨を獲得し、映画監督としてのキャリアを確立した作品である。『宋家の三姉妹』(97)は3つの台湾金馬奨、6つの香港電影金像奨を受賞。『玻璃の城』(98)『北京ロック』(01)『失われた龍の系譜 トレース・オブ・ア・ドラゴン』(03)など他の監督作は世界中の映画祭に出品されている。『七小福』(88)『恋のトラブルメーカー』(92)『戦神 ムーン・ウォーリアーズ』(93)など、多くのヒット作のプロデュースも手掛けている。2005年に中国映画100周年記念のミュージカル“Song of Light and Shadows”の演出を担当。同作は中国の最優秀演劇賞金賞 を受賞した。 2010年のプロデュース作品“Echoes of the Rainbow”は第60回ベルリン映画祭ジェネレーション部門でクリスタル・ベア賞および4つの香港電影金像奨に輝いた。最新監督作『三城記』はラウ・チンワンとタン・ウェイを主演に迎え、今年の香港電影金像奨6部門にノミネートされた。

あいさつ
審査委員の一員として、アジアや他の地域の優れた作品を見て、その革新的な世界観や卓越した技術、そして何よりも映画の限界を押し広げようとする努力を享受する機会に恵まれることを光栄に思います。審査はいつも難しいものです。しかし審査を進めるうちに、追い払おうとしても頭から離れないストーリーや、あまりにも鮮やかに描かれて、まるで個人的な知り合いのように思えてくるキャラクター、そしていつまでも余韻が残るスクリーンに焼き付いたイメージに出会います。最終的には、ずっと記憶にとどまる作品や、いつまでも思い出として残る登場人物たちが受賞者になるのだと思います。
ヴァレリオ・マスタンドレア

ヴァレリオ・マスタンドレア

Valerio Mastandrea

俳優

1972年ローマ生まれ。94年『映画泥棒』(ピエロ・ナトリ監督)でデビュー。その後、ダヴィデ・フェラーリオ監督の“We All Fall Down” 、クラウディオ・カリガーリ監督の“The Scent of the Night”“Viola Kisses Everybody”など、数々の映画に出演。また、出演した舞台“Rugantino”は上演回数253回、つねに完売という大ヒット作品となった。これまでにエットーレ・スコラ、グイード・キエーザ、ナンニ・モレッティ、ジャンニ・ザナージ、パオロ・ヴィルズィ、フェルザン・オズペテク、ジュゼッペ・ピッチョーニほか多数のイタリア映画界の名匠の作品に出演を続けている。2013年、イヴァーノ・デ・マッテオ監督『幸せのバランス』で主演男優賞、ロベルト・アンドー監督『ローマに消えた男』で助演男優賞と、史上初めて2個のダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞を獲得するという快挙を達成した。15年、クラウディオ・カリガーリ監督の“Don’t Be Bad”を共同プロデュース。16年の最大ヒット作“Perfect Strangers”やマルコ・ベロッキオ監督の最新作“Sweet Dreams”にも出演している。現在、監督デビュー長編“SHE LAUGHS”の準備中である。

あいさつ
映画人の仕事は様々な特権があります。最も重要なのは、物語と人間を語ることができるということ。私たちは人間と、その人の感情をじっくりと洞察します。継続的なリサーチによって、言葉や視線、雰囲気が生まれます。映画は世界と、その振る舞いを理解することができる最強の武器です。そして映画祭とは、私たちが何をすべきかをよりよく知るための最高の機会です。外国の映画を観て、“映画で作られた”人たちと議論ができる経験によって、私はいつも自分の仕事とよりよい関係を築けます。私は決して映画をジャッジしません。俳優としても、観客としても、また審査委員としても。私は作品を理解し、どのような衝撃を魂に与えてくれるのかを見極めようとするだけです。審査委員の仕事は、全うすべき責任が詰まった素晴らしい仕事です。だからこそ、今回、審査委員の一員に選ばれて光栄であり、少なくとも1日に3本の映画を“味わう”のが待ち遠しいのです。
ニコール・ロックリン

写真提供 毎日新聞社

ニコール・ロックリン

Nicole Rocklin

プロデューサー

ロックリン・ファウストの共同創立者/パートナー。米国アカデミー賞受賞作『スポットライト 世紀のスクープ』(監督トム・マッカーシー、出演マイケル・キートン、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムス、リーブ・シュレイバー、スタンリー・トゥッチ)のプロデューサーである。ヴァラエティ誌が選ぶ注目すべきプロデューサーのトップ10にも選出された。全米製作者協会の会員。プロデュースを手がけた作品は他に『パーフェクト・ガイ』(監督デビッド・M・ローゼンタール、出演サナ・レイサン、マイケル・イーリー、モリス・チェストナット)や“Middle of Nowhere”(監督ジョン・ストックウェル、出演アントン・イェルチン、エバ・アムッリ、ジャスティン・チャットウィン、ウィラ・ホランド、スーザン・サランドン)がある。ロックリン・ファウスト社の創立に先だって、自身の会社ロックリン・エンタテインメントはアルコン・エンターテインメント社と包括契約を締結した。業界でのキャリアは、ジェリー・ブラッカイマー・フィルムズのアシスタントから始まり、芸能専門の法律事務所での勤務経験もある。マディソンのウィスコンシン大学で歴史学とアフリカン・アメリカン学で修士号を取得している。

あいさつ
今年の初め、私が手掛けた作品『スポットライト 世紀のスクープ』の公開のため、東京に滞在する機会がありました。私は瞬く間に、この美しい国への恋心を抱きました。東京は世界一好きな都市のひとつです。そして、東京国際映画祭という素晴らしくて、非常に評価の高い映画祭に審査委員として招かれるという栄誉ほど、光栄なことはありません。再び日本文化に触れあえる機会に恵まれた喜びに感動しつつ、世界中から集まった優れた映画人やシネフィルたちのハイレベルなコミュニティに身を置けることが今から待ちきれません。
平山秀幸

平山秀幸

Hideyuki Hirayama

映画監督

1950年、福岡県生まれ。日本大学藝術学部卒業。76年『青春の殺人者』(長谷川和彦監督)にスタッフとして参加。以後、数々の映画の助監督を務め、90年に『マリアの胃袋』で監督デビュー。92年『ザ・中学教師』で日本映画監督協会新人賞受賞。95年の『学校の怪談』は大ヒットを記録し、人気シリーズとなる。98年の『愛を乞うひと』はモントリオール世界映画祭国際批評家連盟賞、日本アカデミー賞最優秀監督賞、毎日映画コンクール最優秀監督賞など国内外の賞を総なめにした。モダンホラーからジュブナイル、正統派時代劇、艶笑譚、社会派ミステリー、下町人情話、戦争映画、山岳ドラマなど幅広いジャンルの映画を精力的に発表し続けている。主な監督作品に『ターン』(01)『笑う蛙』(02)『OUT』(02)『レディ・ジョーカー』(04)『しゃべれども しゃべれども』(07)『やじきた道中 てれすこ』(07)『必死剣 鳥刺し』(10)『太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男』(11)『エヴェレスト 神々の山嶺』(16)など。2016年10月『呑むか撮るか 平山秀幸映画屋(カツドウヤ)街道』上梓。

あいさつ
映画の世界に入りたいと思ったのは、人に何かを伝えたいとか、いい作品を作りたいとかいう思いより、何より現場の熱さに触れてみたかったからだと思います。大の大人たちが「ああでもない、こうでもない」と形の見えない作品に向かって物狂いの非日常の世界を走ってゆく。終わってしまえば散り散りになって又の再会の時を待つ。そして作品は観客に観てもらって初めて形になります。正に映画作りは「祭り」です。その集大成が作り手も観客も一体となっての「映画祭」です。今回、審査委員として参加するにあたって、上映される作品と、観客のみなさんたちの物狂いのエネルギーに触れることを楽しみにしています。

アジアの未来 審査委員

作品賞 審査委員

チェ・ヨンベ

チェ・ヨンベ

Choi Yong-bae

プチョン国際ファンタスティック映画祭 ディレクター

プチョン国際ファンタスティック映画祭のディレクターであり、国立の韓国芸術総合学校教授、韓国映画プロデューサー協会の副会長も務める。『グエムル -漢江の怪物-』 “26 Years”『大統領の理髪師』“Apology”など数々のヒット作をプロデュースしている。

ジョバンナ・フルヴィ

ジョバンナ・フルヴィ

Giovanna Fulvi

トロント国際映画祭 インターナショナル・プログラマー

2002年からトロント国際映画祭のプログラミングを手掛ける。アジア映画の最新作および新進作家を発掘し、紹介している。イタリアに拠点を置き、ローマ映画祭の選考委員会メンバーでもある。

橋口亮輔

橋口亮輔

Ryosuke Hashiguchi

脚本家/映画監督

1992年、初の劇場公開映画『二十才の微熱』が大ヒット。2作目『渚のシンドバッド』はロッテルダム国際映画祭グランプリほか数々の賞に輝く。2001年『ハッシュ!』はカンヌ映画祭の監督週間に出品、世界69か国以上で公開。『ぐるりのこと。』は「橋口亮輔の新境地」と各界から絶賛を浴び、昨年公開した『恋人たち』も、数々の賞を受賞している。

国際交流基金アジアセンター特別賞 審査委員

フィリップ・チア

フィリップ・チア

Philip Cheah

映画批評家

シンガポール唯一の独立系ポップカルチャー誌「BigO」の編集者。ジョグジャ・ネットパック・アジア映画祭、ユーラシア国際映画祭、上海国際映画祭のプログラム編成コンサルタント。ハノイ国際映画祭アドバイザー。

松本正道

Masamichi Matsumoto

シネマテーク・ディレクター

1979年よりアテネ・フランセ文化センターのプログラムディレクターとして年間200本以上の世界の映画を上映。98年より映画美学校の共同代表。2009年から官民が協力して映画上映の場を確保するコミュニティシネマセンターの活動にも理事として携わっている。

日本映画スプラッシュ

作品賞 審査委員

マーク・アダムス

マーク・アダムス

Mark Adams

エジンバラ国際映画祭 アーティスティック・ディレクター

映画ビジネス誌Screen Internationalのチーフ批評家を務め、25年以上にわたり、映画ジャーナリストおよび評論家として活躍し、ヴァラエティ誌、ハリウッド・レポーター誌、ムービング・ピクチャーズ・インターナショナル誌や、多くのイギリス国内紙に寄稿してきた。

深田晃司

深田晃司

Koji Fukada

映画監督

1980年生。2010年『歓待』で東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門作品賞、プチョン国際映画祭最優秀アジア映画賞、13年『ほとりの朔子』でナント三大陸映画祭グランプリ、15年『さようなら』でFilmadrid国際映画祭ディアス・デ・シネ賞、16年『淵に立つ』でカンヌ映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞。

カレル・オフ

カレル・オフ

Karel Och

カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 アーティスティック・ディレクター

カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で9年間プログラマーおよび選考委員を務めた後、2010年に同映画祭のアーティスティック・ディレクターに任命された。欧州議会によって贈られるラックス映画賞の選考委員でもある。

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