カンヌ映画祭でパルムドール、ヴェネチア映画祭でグランプリ受賞経験があり、イランを代表する世界的映画監督のアッバス・キアロスタミさんが死去しました。76歳でした。
東京国際映画祭(TIFF)との縁も深く、1992年に開催された第5回TIFFのインターナショナル・コンペティション部門に『そして人生は続く』を出品、ゲストとして登壇もされました。
以降、第7回(1994)アジア秀作映画週間に『オリーブの林を抜けて』を出品、第10回(1997)シネマプリズム部門では『桜桃の味』(ゲスト登壇)、『映画の未来-ロカルノ半世紀-(光の誕生)』(ゲスト登壇)、同部門のビデオ・プログラム 特集“イランのドキュメンタリー”にも『プロジェクト』(バフマン・キアロスタミ共同監督作品)を出品されました。
さらに第12回(1999)にシネマプリズム部門のクロージング作品として『風が吹くまま』を、第22回(2009)には、実験的な意欲作『シーリーン』を出品されました。
続く2012年には、長編作品では遺作となった『ライク・サムワン・イン・ラブ』(TIFFを開催・運営する公益財団法人ユニジャパンと経済産業省と文化庁の支援による国際共同製作認定作品)を日本人スタッフ・キャストを起用して製作。完成した作品はその年の第65回カンヌ映画祭コンペティション部門に出品、日本でも公開され話題となりました。
謹んで哀悼の意を表しますとともに、心からお悔やみを申し上げます。
東京国際映画祭事務局