国際交流基金アジアセンターと東京国際映画祭の共同プロジェクトで、「アジアで共に生きる」をテーマに製作されたオムニバス映画「アジア三面鏡2016 リフレクションズ」の予告編とポスタービジュアルが、このほど完成した。行定勲監督、ブリランテ・メンドーサ監督(フィリピン)、ソト・クォーリーカー監督(カンボジア)という、アジアを代表する監督の映像世界を堪能することができる。
アジアを中心としたクリエーターの発掘・支援を推進する東京国際映画祭が、初めて映画作品を製作した。“アジアの過去と現在”をそれぞれの視点から描くことで、各国の社会や文化を三面鏡のように照射。アジアの隣人同士が互いを理解・共感し、アジア人としてのアイデンティティを模索することを目指す。
メガホンをとったのは、世界の映画祭が認めた3人の名監督だ。フィリピン・インディペンデント映画界の鬼才メンドーサ監督は、不法滞在で日本を追われ、数10年ぶりにフィリピンに帰郷した男の胸中に迫る。
さらに「世界の中心で、愛をさけぶ」「ピンクとグレー」などで知られる行定監督は、多くの日本人高齢者が余生を過ごすため移住するマレーシアを舞台に選択。鳩舎のある屋敷で暮らす孤独な老人を軸に、息子との確執、ヘルパーのマレーシア人女性との交流を映し出す。そしてカンボジア映画界初の女性監督・クォーリーカーは、日本とカンボジアを繋ぐ、時代を超えるラブストーリーを紡いだ。
「アジア三面鏡2016 リフレクションズ」は、ルー・ベローソ、津川雅彦、永瀬正敏、加藤雅也、チュムバン・ソダチビーらが出演。10月25日~11月3日に東京・六本木ヒルズほかで開催の第29回東京国際映画祭でプレミア上映される。