メリル・ストリープが実在の音痴のソプラノ歌手を演じ、ヒュー・グラントと夫婦役で共演した「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」が、12月1日からTOHOシネマズ日劇ほかにて日本公開されることが決まった。あわせて、同作が10月25日から開催される第29回東京国際映画祭のオープニング上映作品に決定し、ストリープとグラントがそろって来日することも決まった。
ニューヨークの社交界で名の知られたマダム・フローレンスことフローレンス・フォスター・ジェンキンスは、ソプラノ歌手になる夢を追い続けていたが、自分の歌唱力に致命的な欠陥があることに気づいていない。夫のシンクレアは、愛する妻に夢を見続けさせるため、マスコミを買収して信奉者だけを集め、小さなリサイタルを開催するなどしていたが、ある日、フローレンスがカーネギーホールで歌うと言い出す。持病を抱えながらも音楽のために生きるフローレンスの挑戦に、シンクレアも一緒に夢を見ることを決める。
1944年、音楽の殿堂カーネギーホールで行われ、伝説として今なお語り継がれるフローレンスの公演を題材に描いた同作は、「クィーン」でヘレン・ミレンにオスカーをもたらし、「あなたを抱きしめる日まで」でもジュディ・デンチをオスカー候補に送り出すなど、ベテラン女優を輝かせる手腕に秀でた名匠スティーブン・フリアーズの監督作。「マンマ・ミーア!」や「イントゥ・ザ・ウッズ」などのミュージカル作品で歌の実力も証明してきた名女優のストリープが、音痴の歌手を演じ、ラブコメの帝王とも言われるグラントと初共演した。
東京国際映画祭での上映にあわせて2人の来日も決まり、ストリープは「美しい街並みや芸術、美味しい食文化と、これまでも素晴らしい経験をさせてくれた日本を再び訪れて日本の皆さんにお会いできることをとても楽しみにしています」とコメントを発表。グラントも「東京国際映画祭のオープニング作品に選ばれたことを誇りに思います。そして、また日本を訪れることができることがとても楽しみです。日本では常に楽しい時間を過ごしてきましたから」と話している。
ストリープにとっては「イントゥ・ザ・ウッズ」のPR以来1年ぶり7度目、グラントにとっても「噂のモーガン夫妻」のPR以来6年ぶり7度目の来日となる。