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2016.10.04 [イベントレポート]
岩井俊二監督、東京国際映画祭特集上映は「楽しみしかない」

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第29回東京国際映画祭のJapan Now部門で行われる特集上映「監督特集 岩井俊二」の会見が10月4日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で行われた。岩井俊二監督は、「映画ファンや評論家と向かい合って、リラックスして一緒に楽しめるように思う。劇場公開時は言い知れぬプレッシャーがあり、なにも楽しめないものですから、この機会はバケーションに近いくらい楽しみしかないです」と声を弾ませながら心境を明かした。
 
現代日本の美意識や文化を活写した作品を選出するJapan Now部門で、「リップヴァンウィンクルの花嫁」「Love Letter」「スワロウテイル」「ヴァンパイア」「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」が上映される。同部門プログラミング・アドバイザーの安藤紘平氏は、岩井監督を特集する理由を問われ「『リップヴァンウィンクルの花嫁』を見たときに、日本人として誇らしいと思った。岩井さんは独特の美意識で、若者の思いや行動を寓話的に語っていく希有な監督。それをさらに発展させて、素晴らしい作品をつくった」と答え、「『リリイ・シュシュのすべて』も『四月物語』もやりたかったですが、それは皆さん、すみませんがDVDで」と頭を下げた。
 
アジア圏でも絶大な人気を誇る岩井監督だが、「自分ではこうなるとはまったく思っていなかったです。『Love Letter』を作るまでは韓国に行ったこともなかった」と話す。それでも、映画を通じた交流が多くあったそうで、「この間も韓国にキャンペーンで行きましたが、キー局のニュース番組に招待された。後で聞いたら、日本人としては初めて放送に出た人だと言われ驚いた」といい、「気がつけば架け橋的な立場に置かれることがあり、少々荷が重いですし、映画をつくって見せることしか出来ませんが、運命だと感銘をおぼえながら自分なりに頑張ろうと思います」と表情を引き締めた。
 
また椎名保ディレクター・ジェネラルは、今年のチャレンジとして「10代が主人公の映画を特集するユース部門の新設」と「野外上映」を挙げた。「日本映画クラシック部門の過去、Japan Now部門の現在、ユース部門の未来。これを大きなテーマとしています」と語り、「世界各国の映画祭に行くと野外上映が活発で、非常に多くの方が参加する光景を見てきました。映画祭期間中、六本木ヒルズアリーナでの野外上映を無料で行います。たくさんの方に映画を親しんでもらいたい」と呼びかけていた。
 
第29回東京国際映画祭は、10月25日~11月3日に東京・六本木ヒルズほかで開催。

 
 

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