第29回東京国際映画祭が10月25日、東京・六本木ヒルズで開幕した。350人以上がレッドカーペットを練り歩いたが、先陣を切ったのはフェスティバル・ミューズを務める女優・黒木華。鮮やかな着物をまとった黒木は、同映画祭に初参加するといい「こんなにたくさん集まってくださって、素敵だなって思います。やはり映画は、映画館で見て頂きたいですから、私も皆さんと一緒に楽しみたいです。そして、もっともっと盛り上がるよう、私も頑張ります!」と爽やかな笑みを浮かべた。
この日はあいにくの雨天となったが、ドレスアップした俳優陣の多くが精力的にファンサービスに努めた。コンペティション部門に選出された「アズミ・ハルコは行方不明」に主演した蒼井優は、「すごく盛り上がって熱気がありますね。東京で仕事をさせて頂いている人間として、本当に嬉しいです。日本の映画を1本でも多く、世界に発信できたらと、勝手にではありますが思っています」と真摯な面持ち。共演の高畑充希も、メガホンをとった松居大悟監督や太賀らに優しい眼差(まなざ)しを注ぎながら、「このメンバーで来られていることがすごく嬉しい。みんなでこの映画を作ったんだなあという実感がより強く沸いてきました」と語った。
コンペティション部門に入った、もう1本の日本映画「雪女」の杉野希妃監督(主演も兼ねる)は、共演の青木崇高にエスコートされながら、瞳を輝かせる。昨年1月、ロッテルダム国際映画祭に参加するため訪問していたオランダで交通事故に遭い、長期の入院生活を余儀なくされたため撮影が延期になるという憂き目にあった。それだけに、「もう感無量です。事故の後、1年くらい延期しましたし、大変な思い入れがあります。この映画祭は5回目の参加になりますが、いつも支えて頂いていて感謝の気持ちしかありません。また戻って来られて、言葉がありません」と胸中を明かした。
新藤風監督作「島々清しゃ」に出演した安藤サクラは、子役の伊東蒼ちゃん、山田真歩とレッドカーペットを練り歩いた。「2年連続で歩かせて頂いて、いち映画ファンとして、映画にかかわる者として、すごく心が躍りますね」。岸井ゆきの(「太陽を掴め」)は、「すごく楽しいです。今年も歩かせて頂いて、嬉しいですね」とニッコリ。熊本を舞台にした「うつくしいひと」に出演した橋本愛は、「参加は3年連続になりました。毎年変わらず、いつも盛り上がっていていいですよね」と語り、メガホンをとった行定勲監督らとともに記念撮影を楽しんでいた。また、「イタズラなkiss THE MOVIE ハイスクール編」の佐藤寛太、美沙玲奈は、「こんなに大きな舞台に参加させて頂いて、すごく光栄。本当に素敵な思い出になりました」と口をそろえた。
オープニング上映作品「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」を引っさげ来日したメリル・ストリープは、雨中にあっても貫禄のファンサービス。サインはもちろん、写真撮影にも応じるなど気さくな人柄でため息を誘っていた。その後、2年ぶりにオープニングセレモニーに出席した安部晋三内閣総理大臣が登壇すると、クロージング作品「聖の青春」に主演し、そろって袴姿を披露した松山ケンイチ、東出昌大とともに力強く握手を交わしていた。
レッドカーペットを歩いた主なゲストは、以下の通り(順不同)。
黒木華、吉村界人、浅香航大、岸井ゆきの、足立紳、犬飼直紀、新藤風、安藤サクラ、山田真歩、岩井俊二、三島有紀子、佐藤玲、中野量太、深田晃司、筒井真理子、太賀、佐藤寛太、美沙玲奈、行定勲、橋本愛、大友啓史、松江哲明、手塚眞、谷村奈南、佐々木希、イェソン、渡辺真起子、青木高、大野いと、高梨臨、斎藤工、佐々部清、古田新太、稲森いずみ、津川雅彦、加藤雅也、松居大悟、蒼井優、高畑充希、細田守、杉野希妃、山口まゆ、佐野史郎、ジャン=ジャック・ベネックス、平山秀幸、松山ケンイチ、東出昌大、森義隆、松本花奈