10/26(水)、アジアの未来『サラワク』の上映後、プリタギタ・アリアヌガラ監督、カリナ・サリムさん(女優)をお迎えし、Q&A が行われました。⇒作品詳細
プリタギタ・アリアヌガラ監督(以下、監督):この映画を最後までご覧いただきありがとうございました。
カリナ・サリムさん(以下、カリナさん):実は私自身も完成したものを初めて見ました。みなさま、最後までご覧いただきありがとうございます。
Q:この映画のロケーションや言葉について教えていただけますか。
監督:撮影はインドネシアの東部にあるセラムという島で行いました。ジャカルタから一番近い空港まで国内便で5時間飛びまして、車とフェリーを使いトータルで8~9時間かかるところです。言葉はその地域であるアンボンの言葉を使っています。
Q:映画ではみなさん泳ぎが上手ですが、実際にみなさん泳げるのでしょうか。
カリナさん:ありがとうございます。実は小さい頃のトラウマで海底に足をつけるのが怖かったのですが、今回、その恐怖と戦うということも経験しました。
Q:サラワクは見事に滝つぼに飛び込んでいましたがスタントは使っていないのですか。
カリナさん:エルコ君が自分で飛び込みました。
Q:サラワクなど登場人物の名前の付け方に理由があったら教えてください。
監督:サラワクというのはセラム島の伝統的な民芸品で盾のことです。踊りでも使われていました。盾というのは守るという意味なのですが、彼がお姉さんを守るキャラクターであることと、盾の意味を重ね合わせました。
Q:赤い十字架と、お姉さんの周りにろうそくで火が灯されていましたが、何を意味しているのでしょうか。
監督:10年位前に彼らの両親が亡くなっており、お姉さんが弟に両親のことを思い出させる意味で赤い十字架と、ろうそくを使いましました。
Q: 結婚してない男女の間に生まれた子供というのが一つの問題として描かれていましたが、インドネシアの社会を反映しているテーマなのでしょうか。
監督:この「婚外子」の問題は私がリサーチしたセラム島でも起きていることで、どうしてそれを取り上げないのか疑問を抱いていました。8時間かけてジャカルタからセラム島に飛んで取材をし、それが一番気になったテーマでした。
Q:「女優」が化粧をしてないような感じや、照明も使っていないような感じだったのですがどのようなカメラワークをしていたのですか。それから、主人公の女優を選んだ理由も教えてください。
監督:実際のカリナは女性的でフェミニンな女の子ですが、わざと冒険好きな男勝りの主人公サラスという役につけてみました。
カリナさん:脚本を読んだ時に、この役はボーイッシュで化粧もしない、ナチュラルで口紅もつけられない役で、現実の私とはかなり遠い存在なので、どうしようかと思っていました。周りの友人たちからも、サラスのようなボーイッシュな役はできない、と言われたことで、私はやればできるんだ、と冒険してみました。
Q:この映画はみなさんで合宿をして撮影したのでしょうか。水中撮影もあり、とても大変そうに感じました。
監督:合宿をしたというわけではありませんが、ほかの映画と同じようにジャカルタで本読みもやりました。たしかに潜りの練習は何度かやりましたが、合宿のようなことはやりませんでした。