2016年の今年、映画祭は第29回を迎え、例年通り森ビル株式会社ご協力のもと、六本木ヒルズを中心に華々しく開催いたします。
就任以来、「作品重視の映画祭」を理念として掲げてきました。4年目を迎えてなお、その理念の重要性を実感しております。
映画に関わる人々の思いを受け止め、映画を通して文化交流を密にするという本来の目的に加え、世界中から集まった優良な作品を国内外に発信する場として、その役割の必要性を、東京国際映画祭はつねに意識しなくてはなりません。
さらに、世界の映画祭と連携し、海外にはまだ認知されていない日本の優秀なクリエイターを積極的に紹介していくことや、次世代の若いクリエイターを育成していくことも重要な責務です。
今年新設する「ユース」部門は、その未来の映像作家や映画ファンを育てるという意味において、これからの映画祭にとって重要な部門と位置づけております。
今年は、国際交流基金アジアセンターと共催で製作しているオムニバス映画「アジア三面鏡」の第一弾がついに完成し、映画祭で晴れてワールドプレミアを行うことになりました。
また、昨年新設し評価を得た「Japan Now」や「日本映画クラシックス」、そして、世界的に人気の高い日本のアニメーションといった我が国特有の作品を意欲的にご紹介してまいります。
映画祭と同時期に開催するコンテンツマーケット(TIFFCOM)と共により一層のビジネスへの波及効果を期待し、映画業界のみならず、クールジャパンに該当する日本の優れたコンテンツとの連携も推し進めてまいります。
どうか、より一層の皆様のご協力とご支援を、よろしくお願い申し上げます。