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2016.03.14 [更新/お知らせ]
国際交流基金アジアセンター×東京国際映画祭 co-produce アジア・オムニバス映画製作シリーズ 「アジア三面鏡」国際色豊かな主要キャスト決定!!

   アジア三面鏡
 
日本を含むアジアの監督3名が、ひとつのテーマのもとにオムニバス映画を共同製作する東京国際映画祭初の映画製作プロジェクト「国際交流基金アジアセンター×東京国際映画祭 co-produce アジア・オムニバス映画製作シリーズ『アジア三面鏡』」。
行定勲監督(日本)、ブリランテ・メンドーサ監督(フィリピン)、ソト・クォーリーカー監督(カンボジア)による作品の詳細と主要キャストが決定しました。「アジアで共に生きる(Live together in Asia)」を共通のテーマに、日本とカンボジア、フィリピン、マレーシアを舞台に両国間を行きかう人々の生きる姿を映し出します。
 
ブリランテ・メンドーサ監督による作品は、日本を不法滞在で追われ、故郷フィリピンに数十年ぶりに帰ることとなる男の心の内に接近するストーリー。苦境に見舞われながらも逞しく誇り高く生きる自国の人々を巧みに描くメンドーサ監督が、北海道帯広、マニラを舞台にナショナリティーを失ったことで伴う人生の喪失について描きます。主演は、フィリピンで最も尊敬される俳優の一人で『ボーン・レガシー』(12年)などハリウッド映画でも活躍するフィリピンの名優、ルー・ヴェローソ。
 
行定勲監督による作品は、かつては日本軍が駐留し、現在多くの日本人高齢者が余生を過ごすため移住するマレーシアが舞台。日本から移住し、鳩舎のある屋敷で家族と離れて暮らす老人と、ヘルパーの若いマレーシア人女性の心の交流を描きます。主演は日本映画界の重鎮、津川雅彦。相手役はマレーシアの故ヤスミン・アフマド監督のミューズ、シャリファ・アマニ。老人の息子役として永瀬正敏が出演します。
 
ソト・クォリーカー監督による作品は日本とカンボジアを繋ぐ時代を超えたラブストーリー。初監督作『シアター・プノンペン』(7月2日公開)でクメール・ルージュにより失われた自国の映画史を題材に、未来への望を描いたクォリーカー監督。2作目となる本作では二つの時代にカンボジアで出会った男女の恋愛模様を同国の内戦の歴史、そしてプノンペンに実在する日本友好支援の橋、《日本橋》を軸に描きます。主演は映画、テレビ、舞台など国内外数々の作品で活躍する加藤雅也。相手役はカンボジアより現在宮本亜門演出の舞台「ライ王のテラス」に出演中のチュムヴァン・ソダチヴィー。
 
本作品は2016年10月25日(火)~11月3日(木・祝)まで開催予定の第29回東京国際映画祭にてワールドプレミア上映したのち、世界各国の主要映画祭等での上映を目指します。
 
『アジア三面鏡』をつぶやく際は、ハッシュタグ #asian3mirror を是非ご利用ください!
 
出演者プロフィール・コメント ※作品順・敬称略
 
アジア三面鏡ルー・ヴェローソ
【プロフィール】1949年生まれ。コメディアン、舞台、監督、政治家として幅広く活躍。2009年に『白タク』(TIFF2011年上映)に出演しフィリピンで数々の賞のノミネートを獲得し、FAMAS (The Filipino Academy of Movie Arts and Sciences Awards)、Cinemalaya Independent Film Festival、ブリュッセル・インディペンデント映画祭含め5つの主演男優賞を受賞している。またマニラのサンタアナでコミュニティ劇団を設立し演技指導をしている。2010年に卓越したコメディの才能とキャリアへの功労としてフィリピン映画芸術及び科学アカデミー賞よりLou Salvador Sr. Memorial Awardを受賞。近年ではハリウッド映画『ボーン・レガシー』(12年)への出演。メンドーサ監督作品では『キナタイ -マニラ・アンダーグラウンド』(09年)、『Trap』(邦題『罠(わな)~被災地に生きる』(TIFF2015年上映)に出演している。
 
コメント:『アジア三面鏡』に参加できることを光栄に思います。また美しく荘厳な景色が見られ、一番お気に入りの国でもある日本に行けることを大変嬉しく思います。以前に福岡を訪れたことがありますので今回は二度目の訪日になります。
 
 
アジア三面鏡津川雅彦
【プロフィール】1940年1月2日京都府生まれ。1956年に日活映画『狂った果実』(中平康監督)で、本格的な俳優デビュー。主な出演作に『ひとひらの雪』(85年/根岸吉太郎監督)、『マルサの女』(87年/伊丹十三監督)、『墨東綺譚』(92年/新藤兼人監督)、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(94年/深作欣二監督)、『プライド・運命の瞬間』(98年/伊藤俊也監督)、『0.5ミリ』(14年/安藤モモコ監督)など、二枚目から悪役まで、幅広い役柄をこなす演技派俳優として活躍。
 
コメント:素敵な脚本です。鳩の命と老人の命。鳩の生き方と老人の生き方。見事に対比されています。最後に老人は全てを鳩に託します。果たして鳩は老人の期待に応えてくれるのでしょうか?
 
 
アジア三面鏡シャリファ・アマニ
【プロフィール】マレーシア出身。女優、監督、脚本家、著述家として活躍しており、複数の賞に輝く。主に名監督の故ヤスミン・アフマドとのコラボレーションで知られており、同監督による『細い目』(04年)、『グブラ』(06年)、『ムクシン』(06年)、『ムアラフ―改心』(07年)の4作品への出演で本格女優としての地位を確立。監督の遺作『タレンタイム』(09年)ではサード監督を務めており、自身でも『サンカル』、『カンポン・バンサー』、『イヴ』という短編映画を監督。その他の出演作には、3度目の主演女優賞を獲得したNamron監督による『Psycho Pencuri Hati』、『ノヴァ~UFOを探して』(TIFF2014上映)、『Pekak』がある。細井尊人監督『クアラルンプールの夜明け』では日本映画への出演も果たしている。
 
コメント:本作に出演させていただき大変光栄に思います。私は日本とその豊かな文化が大好きです。過去にも日本を訪れ、素晴らしい方々と仕事をし、多くを学ばせてもらった経験があります。ヤスミン・アフマド監督の作品が日本で大変温かく受け入れられたことには感謝の気持ちでいっぱいです。日本映画では『クアラルンプールの夜明け』に出演させてもらえましたが、楽しい思い出となりました。今回は行定監督の作品に出演できることを楽しみにしております。今後も末永く両国が手を取り合い取り組んでいけることを願います。
 
 
アジア三面鏡永瀬正敏
【プロフィール】1966年7月15日生まれ。映画 『ションベン・ライダー』でデビュー。89年、ジム・ ジャームッシュ監督作『ミステリー・トレイン』で世界的に注目を集める。『息子』(91年)、『学校Ⅱ』(96年)、『誘拐』(97年)、『隠し剣鬼の爪』(04年)で日本アカデミー賞での主要賞他数々の映画賞を受賞。これまでの出演作は90本にのぼる。『私立探偵マイク』シリーズ映画テレビ共人気を集めた。近作では、金馬賞・主演男優賞で、中華圏以外での俳優としては初ノミネートになった『KANO~1931海の向こうの甲子園』。カンヌ国際映画祭正式出品作品『あん』(15年)などに出演。今後公開作に『64前編・後編』『蜜のあわれ』『後妻業の女』『二人ノ女』他。また写真家として多くの作品を発表している。
 
 
アジア三面鏡加藤雅也
【プロフィール】ファッション誌“メンズノンノ”のモデル、パリコレのモデルなどの活動後、俳優に転身。
『BROTHER』(00年/監督 北野武)、『荒ぶる魂たち』(02年/監督 三池崇史)、『新宿インシデント』(09年/監督 イー・トンシン)、『恋戦沖縄』(00年/監督 ゴードン・チャン)、『風のファイター』(04年/監督 ヤン・ユノ)、『クライングフリーマン』(96年/監督 クリストフ・ガンズ)などの国内外の映画やテレビ、舞台で活躍。2016年には『テラフォーマーズ』(監督 三池崇史)の公開が控えている。
 
コメント: また新しい国の映画人とお仕事ができる機会に恵まれ嬉しい限りです。監督ソト・クォリーカーさんの女性の視点で、文化も言葉も違う環境で生まれ育った男女の愛を切なく、悲しく演じられればと思います。主人公のように、この映画を通じて日本とカンボジアそしてアジアの国々の映画界との間に友好橋を築ければと思っています。
 
 
アジア三面鏡チュムヴァン・ソダチヴィー
【プロフィール】民俗舞踊、影絵舞踊に堪能であり、それ以外にも1994年より女性のみによるカンボジア古典舞踊の男性役の訓練を始めた。2006年にロバート・ウィルソンにより設立されたThe Watermill Centerのインターナショナル・サマー・プログラムにてコンテンポラリーダンスを学んだ。以来、世界中のコンテンポラリーダンスのワークショップに参加しており、Emmanuèle Phuon、ピーター・チャン、アルコ・レンズなどの作品に主要ダンサーとして出演、各地をツアーしている。また自身で振り付けをしている作品もある。最近ではマドリードのテアトロ・レアルで上演されたピーター・セラーズ演出によるストラヴィンスキーの「ペルセフォネ」にも主要ダンサーとして出演。現在日本にて上演中の舞台「ライ王のテラス」にも出演中。
 
コメント:この度は日・カンボジア合作「Beyond the Bridge」に出演させていただけることを大変嬉しく、光栄に思います。今日につながるクメールの歴史を紐解く物語に出演させていただけるのは、カンボジアの古典舞踊にもコンテンポラリーダンスにも従事する者として縁を感じます。本作ではカンボジアの素晴らしさと芸術の重要性を知る、強い、まさにクメールの女性というカンボジア女性を演じます。
 
 
国際交流基金アジアセンター×東京国際映画祭 co-produce アジア・オムニバス映画製作シリーズ 『アジア三面鏡』
 
日本を含むアジアの監督3名が、ひとつのテーマのもとにオムニバス映画を共同製作するプロジェクト。本企画は、アジアに生きる人々を3名のアジアの気鋭監督がそれぞれの視点から描くことで、その向こうに浮かび上がるそれぞれの国の社会や文化を三面鏡のように映し出し、アジアに生きる隣人としてお互いがお互いを知り、理解し、共感し、アジア人としてのアイデンティティや生き方を模索する契機になることを目指します。3名の監督は、他のアジアの国と何らかの形でつながりを持つ人々を登場させること、そして撮影はアジアの国のどこかで行うこと、という以外は自由にそれぞれのスタイルで、テーマに沿った作品を仕上げ第29回東京国際映画祭にてワールドプレミア上映します。その後、世界の主要国際映画祭での上映、国内外での公開を予定しています。それぞれの作品は4月下旬までに撮影され、国際的なクリエーターが集まり、アジアでも評価が高いマレーシアの Imagica South East Asiaのスタジオ(http://www.imagicasea.com/isea_jp.html)にて7月頃ポスト・プロダクションを行う予定です。
 
ブリランテ・メンドーサ(フィリピン)
1960年フィリピン出身。2005年インディペンデント映画プロダクション「センター・ステージ・プロダクションズ」を設立。同年の監督デビュー作 『マニラ・デイドリーム』でロカルノ国際映画祭ビデオ部門金豹賞を受賞。2007年『どん底』でベルリン国際映画祭カリガリ賞を受賞。2009年『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。2012年『汝が子宮』(TIFF2015上映)でヴェネチア国際映画祭the La Navicella Venezia Cinema Awardを受賞。最新作『罠(わな)~被災地に生きる』(TIFF2015上映)は、第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品された。
 
行定勲(日本)
1968年、熊本県出身。『ひまわり』(00年)で第5回釜山国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。『GO』(01年)では第25回日本アカデミー賞最 優秀監督賞を始め、数々の映画賞を受賞。『世界の中心で、愛をさけぶ』(04年)は観客動員620万人、興行収入85億円の大ヒットを記録。以降、『北の零年』(05年)、『パレード』(2010、第60回ベルリン国際映画祭パノラマ部門・国際批評家連盟賞受賞)。釜山国際映画祭のプロジェクトで製作 されたオムニバス映画『カメリア』(11年)の中の一作『kamome』を監督。最新作は『ピンクとグレー』(16年)。
 
ソト・クォーリーカー(カンボジア)
1973年カンボジア出身。クメール・ルージュ政権下、混乱と内戦の時代に育つ。2000年、『トゥームレイダー』のライン・プロデューサーを務める。自 身の製作会社ハヌマン・フィルムズで『Ruin』(2013年ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞)など数多くの映画とドキュメンタリーをプロデュース。 2014年、初監督作『遺されたフィルム』で、第27回東京国際映画祭「アジアの未来」部門国際交流基金アジアセンター特別賞を受賞。『シアタープノンペン』のタイトルで2016年7月公開予定。各国の映画祭から注目を集め、カンボジア映画界期待の女性監督である。
 
 
【国際交流基金アジアセンター】
国際交流基金アジアセンターは、アジア域内に住む人々の間に、共に生きる隣人としての共感、共生の意識を育くんでいくことを目指し、文化事業、知的交流事業、日本語教育事業をはじめとした幅広い分野で、日本とアジア諸国との交流と協働を促進、強化するさまざまな活動を行っています。東南アジア地域を主な対象とする交流事業や調査・研究活動などを支援する助成プログラムも実施しています。詳細はウェブサイト www.jfac.jpをご覧ください。

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