総製作費150億円を投じた日中共同製作映画「空海 KU-KAI」の製作報告会見が10月28日、東京・六本木ヒルズタワーホールで行われ、メガホンをとる巨匠チェン・カイコー監督と主演の染谷将太によるビデオレターが披露された。
オール中国ロケのさなかの2人は、豪華なセットをバックに「今、とても優秀な俳優たちと作品を作っています。私たちは既に3カ月間撮影に取り組んでいます」「この映画が唐の時代に皆さんをお連れします」(カイコー監督)、「監督をはじめ、ホアン・シュアンや中国の素敵な役者さんたちと共演できて本当に刺激を受けています。そしてこの素晴らしいセット。本当にでかくて、毎日ここで撮影しているだけで、わくわくしています。早く皆さんの元へ届けたいです。楽しみにしていてください」(染谷)と順調ぶりをアピール。さらに、共演のホアン・シュアンも「この役を演じることにとても感謝しております。日本の俳優さんたちの仕事への誠実さや情熱を感じています。スタッフの心遣いを毎日感じています。そして監督に感謝しております。ご期待ください」とコメントを寄せた。
原作は、ベストセラー作家・夢枕漠氏が執筆した累計発行部数65万部の「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」(全4巻/角川文庫・徳間文庫)。遣唐使としてやってきた若き日の空海(染谷)が、詩人の白楽天(シュアン)とともに、唐の首都・長安を揺るがす巨大な謎に挑むさまを描く。
この日は追加キャストも発表され、日本から唐に渡った女性・白玲を松坂慶子が演じていることが明らかになった。松坂は「本来でしたら、チェン・カイコー監督、染谷さん、シュアンさんにご挨拶していただきたいと思われるかと思いますが、撮影が佳境に入っているので、私がご挨拶をさせていただきます」と述べると、「今回は長年の憧れであったカイコー監督の作品に出演し、演出を受けさせていただき、夢のようです」とニッコリ。現場での染谷の印象は「お若いのに落ち着いていて、映画を愛していらっしゃり、志も深い。天才と言われた空海の若い時代に本当にぴったりだなと思いました。撮影中も、細やかにアドバイスしてくださったり、大変頼りがいがありました」と語り、信頼をにじませた。
会見には松坂のほか、中華人民共和国駐日本国特命全権大使を務める程永華氏、KADOKAWAの角川歴彦取締役会長、東宝・島谷能成社長、萩生田光一内閣官房副長官、原作者の夢枕氏が出席した。角川会長は、「染谷将太くんと松坂慶子さんは、実は監督のご指名でした。見事な空海を演じているので、安心していいよと監督からメッセージをいただいたので安心しました」と明かした。
「空海 KU-KAI」は、2017年の完成を予定。日本では、東宝とKADOKAWAの初の共同配給作品として18年の公開を予定している。