日本学生映画祭は今年で6年目の開催となりました。今日に至るまでご協力くださった皆様に厚くお礼を申し上げます。次いつ劇場で会えるかわからない作品たち、数年後にはまた目にするであろう監督たちを見届けられることが、この映画祭の魅力だと思っています。あるプロの方が、学生監督らのことを、褒賞を求めず無心で作ってきた彼ら、と表していました。“無心”とは、これら画面の外にある熱量が、世に支持されるため(だけ)のものではないということなのだと思います。5作品計111分。誰にとっても貴重な一瞬一瞬になりますように。
『お姉ちゃんは鯨』
2015年|56分| カラー|日本
那津は小さな島の静かな港町で毎日退屈な日々を過ごしている。そんななか、姉の依澄が島に帰ってきた。那津にとって姉の存在はいつでも大きすぎる。この映画は、自分の小ささに立ち向かっていく女の子を描いている。
『あたしだけをみて』
2016年|8分| カラー|日本
あの頃の彼女はどこへ?
彼女の魅力を忘れ「モルモット」ばかり可愛がる主人公は、あるときお花の美女に出会う。モルモットに嫉妬するガールフレンドに比べ、その良さを理解してくれるお花の美女に、主人公は惹かれていくが…。
『トイレハザード~一緒に食べよ~』
2015年|15分|カラー|日本
一緒に食べよ
高校1年生の教室。あるひとりの少女がお弁当を持ってトイレに立った。
『The Bad Old Us』
2014年|28分|モノクロ|ドイツ
そのとき、彼が見たものは――
これは主人公の住む村と、そこで毎年行われるラッフルという伝統的なクジ引き大会についての話である。村は閉鎖的だが一見平和そうに見える。しかし彼は禁じられた森で、耐え難い真実を目撃してしまう――。
『その家の名前』
2015年|4分|カラー|日本
朽ちていく家、蠢きだすなにか
そこはかつて祖父母が、両親が、僕が住んでいた場所。遠い記憶と感情を忘れてしまっても、確かにそこに存在し、これからもあり続ける。
©2016 Tomoki Misato ©2015 Ataru Sakagami/Tokyo University of the Arts