基地の兵士だったアメリカ人の父親とフィリピン人の母親の間に生まれたエリカは、帰国したまま音信不通の父に会うため、パスポートとビザを取得して渡米する計画を立てていた。そんな彼女の前にアメリカ人のジョンがあらわれる。父かもしれないジョンと向き合うなかで、エリカの真実を求める道程は続く…。フィリピンはかつて広大な米軍基地を抱え、そんななかで生まれた米比混血の子どもたちは父親が帰国したまま分からないケースも多く、いまなお社会問題となっている。タイトルの「I America(私、アメリカ)」は、分解すると「I Am Erica(私はエリカ)」とも読める。シネマラヤ映画祭2016で最優秀助演女優賞を受賞。
【監督メッセージ】
自分探しの物語は、誰にでも共通する部分があると私は思います。自分が本当は何者なのかと日々もがき苦しむことは、やりがいのある人生の旅でもあります。本作では、アメラジアン(アメリカ人とアジア人の間に生まれた子)の少年少女の人生を見つめ、父親を知らない自分とどのように向き合うのかを描いています。答えの見つからない疑問への憤りと混乱を抱えながら、彼らは育ちます。しかし、私は気付きました。自分の出自に関わらず、自分は何者かを知り、自分を受け入れることができれば、人生はもっと楽になるものだと。
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