右からシエ・シャオドン監督、チン・ヨンさん(俳優)、フォン・ボーさん(女優)、チー・ジーさん(俳優)
10/26(水)アジアの未来『底辺から走り出せ』の上映後、シエ・シャオドン(監督/プロデューサー/脚本家)、チン・ヨン(俳優)、フォン・ボー(女優)、チー・ジー(俳優)をお迎えし、Q&Aが行われました。⇒作品詳細
シエ・シャオドン監督(以下、監督):東京の観客の皆さんこんにちは!
客席:こんにちは。ようこそ東京へ。
監督:ありがとうございます。昨日は雨が降りましたね。
チン・ヨンさん(以下、チンさん):東京に来たのは20年ぶりです。今回来ることができて、非常に嬉しいです。
司会:上海国際映画祭2016での最優秀主演男優賞、おめでとうございます。
チンさん:ありがとうございます。
フォン・ボーさん(以下、フォンさん):東京の皆さんこんにちは。東京に来るのは3回目ですが、自分が出演した映画を引き下げて来ることができて非常に嬉しいです。ありがとうございます。
チー・ジーさん(以下、チーさん):今回、このように見に来てくださった観客の皆さんに非常に感謝しております。皆さんに映画を気に入っていただけたら幸いです。日本に来たのは初めてです。非常にこの都市を気に入っています。
Q:日本以外での映画の反響を監督にお伺いしたいです。
監督:この映画は、配給先を探しておりまして、まだ中国では上映されていません。
この映画は、どちらかというとアーティスティックな映画になります。一般大衆が好むエンターテイメント作品とは少し違います。中国だと、こういったアーティスティックな映画を好む方がそれほど多くないので、配給会社もこの映画を上映して元が取れるかどうかを心配しているため、配給会社がなかなか決まらない状況です。
また、小さい配給会社の場合だと、配給したくてもお金がなく、監督自身もお金がありません。現在はクラウドファンディングのような方法で、みんなでお金を集めて配給宣伝の費用を作り、来年の3月には上映できるようにしたいと思っています。その時は、中国の観客の反応がどうだったのかをお教えします。
もちろん、今回東京国際映画祭に参加して、日本での配給先が決まることを望んでおります。もし日本で上映されたときは、あなた(質問者)が私に日本での観客の反応を教えてくださいね。
Q:この映画からは、人生には凄い苦難がつきまとうかもしれないけど、真面目に生きていれば報われることがあるというメッセージを受け取った気がします。私はまだ18歳ですが、色々悩むこともあり、四面楚歌のような状態になることもあって凄く苦労しています。出演者の皆様にお伺いします。このような辛く苦しい状況でも、自分のできることを一つずつこなして真面目に生きていれば、良いことがあるのか、報われることがあるのでしょうか。
監督:面白い質問だと思います。しかし、この映画では良い人が報われるとは描いていません。この映画で描いているのは中年の方の生活です。中年は毎日忙しく、仕事にも生活にも追われ、会社だと上司に合わせなくてはいけなかったり、親の面倒を見たり、とにかく本当に色々な意味で毎日忙しいです。自分の名前や歳を忘れるくらい忙しい日々を過ごしている方々なのです。
この映画の初期段階、2年位前に私の母が亡くなり、共同監督のルーさんも50歳手前で突然亡くなりました。生きていく上で苦しみを背負っていく必要があるのか、私は映画で描きたかったのです。それがある意味で質問の答えです。
チンさん:この質問は非常に嬉しいです。私も最近このことについて考えていたからです。私は、30年間ロックをやっています。中国でロックをやるのは世界でも難しいと言われています。政府からは自分らで勝手にやれと言われています。そんな状況でも30年間続けてきました。今まで中国で行ったコンサートでは、命を懸けて行ったコンサートもたくさんありました。
そのほかにも、自分の息子は自閉症のような状態です。ただ息子は映画が大好きです。私は父親として、あなたの父親は映画に出ることができるんだ、という姿を息子に見せてあげたいんです。家族全員で決めていることは、どんなことがあってもやり抜くこと。だから色々な困難も克服できたと思います。苦労を追うということは、あなたの人生で一番の財産になります。
フォンさん:私はいつも思うのですが、人生では、色々な選択の場面に出会うと思います。今回だと、何の映画を見るか決めることだってそうです。私自身、人はどんなことにも一生懸命にやるべきだと思うのですが、一生懸命やったから成功するとは限らない、でも少なくとも間違ったことはしていないと思います。悪い人に必ず報いがあるとは思わないけど、良い人には必ず良い報いがあると思います。
チーさん:生活は、たしかに良いことばかりではないけれど、希望を捨ててはいけない、生きてくうえで必ず希望をもつこと、どんな状態でも希望を持ってください。生きていれば必ず希望がやってきます。